
食材を燻すことで、独自の風味をつけることができる燻製。燻製をはじめたい方に、燻製の種類、燻製の手順、人気の燻製器を紹介します。
温度でわかれる燻製の種類【冷燻法/温燻法/熱燻】
燻製のやり方は、温度によって3つの方法があります。
冷燻法
冷燻(れいくん)法は15~30度の低温で長時間燻製する方法です。
長時間かけて食材の水分を抜くため、燻製した食材がドライな味わいになり、長期保存が可能です。食材に熱を通さない燻製方法なので、スモークサーモン作りなどに適しています。
ただし、冷燻法は他の燻製に比べると時間がかかり、外気温との兼ね合いを考えた温度管理が必要です。大きな器具を用意し、食材や温度の管理が難しいため、他の燻製方法に比べると上級者向けです。
温燻法
温燻(おんくん)法は、30〜80度の煙で燻す燻製方法です。
スモークウッド(スモークチップを固めたもの)に直接火をつけて、煙で数時間から1日程度燻します。もっともポピュラーな燻製方法で、食材の約半分の水分が抜けるため、数日程度の保存ができます。
熱燻に比べて時間はかかりますが、熱源を用意する必要がないため、道具を揃えれば初心者でもはじめやすいです。
熱燻
熱燻(ねっくん)法は80度〜140度の高温で、短時間燻す燻製方法です。
スモークチップをガスコンロやバーナーで熱し、出た煙を使って10分~1時間程度食材を燻します。燻製する時間は、他のやり方に比べて短く、自宅でも比較的手軽にはじめられるので、初心者におすすめの燻製方法です。
素材の水分が多く残るので、ジューシーな味わいが特徴です。そのため、水分が多く、保存性はあまり高くありません。
燻製に必要な道具:燻製器
燻製器とは、食材を煙で燻して香りづけや色付けができる調理器具のことです。燻製器があれば食材を置いたり、吊るしたりでき、スモークチップやスモークウッドを置くスペースがあるため、燻製がしやすくなります。
燻製の種類によっては専用の燻製器を用意する必要があるため、自分がやりたい燻製法に適した燻製器を探してみましょう。
冷燻におすすめの燻製器
冷燻法は大型の燻製器で時間をかけて行うのが一般的です。低温の煙で燻すため、外気温が低い冬にしかチャレンジできず、温度管理が大切なため上級者向けの燻製方法になります。
ただし、最近では食材にスモークチップの風味を、短時間で加えることができる燻製器があります。低温の煙で香りづけする燻製のため、厳密には違いますが冷燻を試してみたい方は「フードスモーカー」や「燻製メーカー」をチェックしてみましょう。
グリーンハウス(GREEN HOUSE)の「フードスモーカー」
グリーンハウス(GREEN HOUSE)の「フードスモーカー」は、食材に熱が届かない冷燻が可能な燻製器です。コンパクトなサイズで電池式のため、自宅だけでなく、キャンプ場などの屋外でも、燻製レシピを楽しめます。
RAKU・RAKU LIFE「燻製メーカー」
RAKU・RAKU LIFEの「燻製メーカー」は短時間で手軽に燻製風味の食材を味わえる燻製器です。3~10分程度の短い時間で手軽に燻製できるので、チーズやゆで卵、ナッツなどにスモーキーな香りを付け、いつものおつまみを簡単にアレンジすることができます。
温燻におすすめの燻製器
温燻は30~80度の煙でじっくりと燻す燻製方法です。熱燻と違って時間を掛けて燻すやり方で、煙を回す空間(スペース)が少ないと食材が焼けてしまうので、中型以上の燻製器を購入しましょう。
コールマン(Coleman)「ステンレススモーカーⅡ」
コールマン(Coleman)の「ステンレススモーカーⅡ」は高さが約40cmあり、ふた裏のフックや2段棚があるため、十分な量の食材を一度に燻すことが可能。スモークウッドの交換や取り出しに便利な下部窓や温度計が付いているのもポイントです。
ソト(SOTO)の「お手軽香房 ST-124」
ソト(SOTO)の「お手軽香房 ST-124」は高さ約41.5cmで、本体正面の扉がフルオープンする燻製器です。付属の吊り下げフックや燻煙網は取り外し可能なため、大きな食材を入れたり、自分なりにレイアウトを変更できます。温燻だけでなく、熱燻にもおすすめです。
熱燻におすすめの燻製器
熱燻は80度以上の煙で短時間だけ燻す燻製方法です。そのため、食材が入り、煙が循環するスペースがあるなら、小型で底が浅い燻製器でも問題ありません。
ソト(SOTO)「スモークポット Coro」
ソト(SOTO)の「スモークポット Coro」はキッチンで手軽に熱燻ができる燻製器です。食材に熱を伝える陶器製で、温度計が付属しているため温度管理がしやすくなっています。蓋の形状が異なる「スモークポット Don」があり、色も3色あるので自分好みのデザインを選べます。
ユニフレーム(UNIFLAME)の「インスタントスモーカー」
ユニフレーム(UNIFLAME)の「インスタントスモーカー」は使用していないときは折り畳める燻製器です。持ち運びしやすいサイズとなるため、アウトドアやキャンプのときに便利で、熱燻だけでなく、温燻も可能となっています。
【番外編】段ボール製燻製器
燻製器は食材を置く場所と煙が回るスペースがあれば十分なので、段ボール製の燻製器もあります。商品によっては金網やフックが付いているので、手軽に本格的な温燻が可能です。比較的安価なため、温燻に興味がある初心者におすすめです。
ソト(SOTO)「燻家 スモークハウス」
ソト(SOTO)の「燻家 スモークハウス」は燻製器や金網、フックだけでなく、ミニサイズのスモークウッドが付いてきます。段ボール燻製器は一度だけでなく、繰り返し使用できるのも特長です。
さまざまな食材を使って燻製料理を楽しもう
冷燻や温燻は温度管理が難しく、燻製するための時間が長いため、初心者が燻製をはじめるなら短時間で完成する熱燻がおすすめです。
これから燻製をはじめたい方は、メルカリなどのフリマアプリで人気の燻製器を選ぶことができます。手軽に燻製器を購入して燻製料理にチャレンジしてみましょう。
ただ、中古の燻製器を使用して事故が起こらないよう、事前に出品者に商品状態を確認することが大切です。